私の認知症自宅介護は、経験も知識もほとんど無く、不安といらだちからスタートしました(このような方も多いと思います)。
母の行動がおかしいことに気づき、精神科を受診したところ、すぐに、母が”レビー小体型認知症(認知症+パーキンソン病)”が判明し、私(息子)の自宅介護がスタート。
自宅から母が住む実家に、洋服など最低限、生活に必要なものを運び、認知症の介護について、何の準備のないまま介護が始まりました。
私自身、以前から認知症には関心があり、本などを読み、多少の知識があり、TVでも認知症の番組は必ず見ていました。しかし、介護前の知識はほとんど役に立ちませんでした。
本やTVなどで紹介される認知症は、ほとんどが””アルツハイマー型”の認知症で、認知症になったら記憶障害が発生し、徘徊などが起こるという内容です。”レビー小体型認知症と言われても、最初はピンときませんでした。
しかし、認知症について知識がないと介護はできません。私の介護は、母の世話をしながら、認知症とは? レビー小体型認知症とは? を、下記の本で理解するところから始まりました。
ちなみに、ネットの情報は断片的かつ個人的な情報が多いので、これには、あまり頼りませんでした。
【認知症の理解、介護を学んだ本の紹介】
①「認知症の人を理解したいと思ったとき読む本 正しい知識とやさしい寄り添い方 」
出版社/メーカー: 大和出版
認知症とは、認知症の介護方法など、認知症全般について知ることができる本です。100ページ以下の薄い本ですが、イラストも多く、認知症全般について、ポイントがよくまとまっていいます。
②「「こころ」の名医が教える 認知症は接し方で 100% 変わる!」
作者:吉田勝明
出版社/メーカー: IDP出版
この本は、認知症の介護方法について詳しく書かれており、これも役立ちました。どちらかと言うと介護施設で働いている方に役立つ本ですが。自宅介護でも役に立ちました。
③「治さなくてよい認知症」
作者:上田 諭
出版社/メーカー: 日本評論社
認知症の本人が、いかに自己肯定感を回復・維持し、人生と生活を意義深く、または生きがいをもって生きることができるかという視点にたって書かれた本です。私のような介護者は、巻末の「ご家族へのメッセージ」が非常に参考になるので、最初に、これを読んでから、本を読み進めると良いようです。
④「第二の認知症――増えるレビー小体型認知症の今」
作者:小阪 憲司,尾崎 純郎(執筆協力)
出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
レビー小体型認知症を理解するのに欠かせない必読書です。世界で初めて、この認知症を発見した小阪医師が書いたこの本は、とても役立ちました。
母がレビー小体型認知症と判定されてすぐ読んだ本です。私の机の前には、この本が置いてあり、いつも参考にしていいます。
【参考】
■認知症のタイプ
認知症は以下のタイプがあり、その中でも、「アルツハイマー型」は認知症の約50%を占めるので、マスコミなどの報道は、これが中心になります。
私の母は、「レビー小体型」の認知症で、いままで私には、知識が皆無の認知症でした。
「三大認知症」・・・「アルツハイマー型」「レビー小体型」「脳血管性」
「四大認知症」・・・上記に加え、「前頭側頭型」
■認知症の症状~中核症状と周辺症状
認知症の症状は大きく、「中核症状」と「周辺症状」に分かれます。
私の母は、中核症状の記憶障害が大きく、周辺症状として妄想(被害妄想)と暴言がありました。
【中核症状】認知症の全ての人に現れる症状
①記憶障害・・・5分前のことを忘れてしまう
②見当識障害・・・時間や場所、人がわからない
③実行機能障害・・・物事の手順がわからない
④失語、失算、失認、失行・・・言葉が出ない、それがなにかわからない
【周辺症状(BPSD)】中核症状が引き金になって起り、人により現れ方が異なる症状 主な症状は以下
①徘徊・・・家を出て帰ってこれなくなる
②妄想(被害妄想)・・・もの盗られ妄想、嫉妬妄想など
③暴力・・・暴れだし暴言を吐く
④幻覚(幻視)・・・存在しないものが見える
⑤不潔な行動・・・失禁した下着などをしまい込むなど