シニアからの学び

介護・主夫業・花作り, etc. シニアから学びの日々が再び

アラン「幸福論」から たくましく生きるための言葉

一円玉の半分以下しかない”種”から育てた「アネモネ」、それも、土の状態が良くない劣悪な場所に、昨年の10月末に植えた「アネモネ」。5ヶ月後の3月に咲きました。劣悪な環境に咲く「アネモネ」には、毎年、生命の”たくましさ”を教えられます。

 

なお、私の愛読書、アランの「幸福論」に、生命のたくましさについて述べた箇所があります。とても素晴らしい言葉です。

『生きているものはすべて、生命が必ず勝利すると信じている。さもなければ、すぐに死んでしまうであろう。』
(「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 ワイド版岩波文庫 ”58  憐れみについて”から)

 

そうですよね。もし、花が「こんな最悪な環境に植えるなんて、あなたは何を考えているの!」と怒り嘆いたら、その花は咲きません。

「おやおや、これは良くない環境に植えたね。でも、頑張ってみるよ。咲いたら”頑張ったね”と言ってくれ」と言って、頑張った花は咲きますね。今回のアネモネがそうでした。人もそうかな? 与えられた環境で、たくましく生きるしかないですね。

 

『悲しい思いになってはならない。希望すべきだ。人にほんとうに与えうるのは、自分のもっている希望だけなのだ。自然を当てにし、未来を明るく考え、生命は必ず勝利すると信じなければならない。』
(「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 ワイド版岩波文庫 ”58  憐れみについて”から)

 

これも素晴らしい言葉です。希望し、自然を当てにして、未来を明るく考える、そして、頑張っていれば、必ず、良いことがあると信じること、とても大事だと思います。これがないと生きていけません。

 

アランの「幸福論」には、たくましく生きるための言葉が、他にもたくさんあります。その中から二つ、以下に紹介します。

 

『だれもがよく知っているとおり、怒りと絶望はまず第一に克服しなければならない敵である。それには信じなければならない。希望をもたねばならない。そしてほほ笑まねばならない。』

(「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 ワイド版岩波文庫 69  結び目をほどくこと から)

「怒り」と「絶望」、これは、本当に克服したいですね。私の場合は、特に「怒り」の克服ですね。アランは、 信じる、希望を持つ、ほほ笑み が必要だと言っています。これに加え、「怒り」の感情がわいたら、10秒間待ってみるというのも、なかなか良い方法です。そうすると少し冷静になれますね。「怒り」→即発散 これが一番マズいですね。10秒間冷静になる、意外と有効ですよ。

 

『幸福になるのは、いつだってむずかしいことなのだ。多くの出来事を乗り越えねばならない。大勢の敵と戦わねばならない。負けることだってある。乗り越えることのできない出来事や、ストア派の弟子などの手におえない不幸が絶対ある。しかし力いっぱい戦ったあとでなければ負けたと言うな。』

(「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 ワイド版岩波文庫 92  幸福にならねばならない

から)

これも力強い言葉ですね。幸福になるため、生きるには、たしかに多くの出来事があり、それを乗り越えていかなればなりません。

ただ・・・どこまで、それらの困難と闘うかが問題ですね。何事も限界がありますが、問題の中には、その限界以上のパワーを必要とする場合もあります。

限界以上と考え闘うのをストップするか、さらに頑張って闘い、自分の限界線を高めるか・・・難しい問題ですね。なお、もし、限界線を越えて闘う場合には、倒れたときに自分をサポートしてくれる人が必要な気がします。

 

なお、アランはフランスの哲学者ですが、「幸福論」の中に、生きる上で、大切なことをたくさん述べています。なお、「幸福論」、原本がフランス語なので、日本語の訳が分かりづらく、何度も読まないと、なかなか理解出来ませんでした。でも、10数回読んで、ようやくチョット分かるようになり、また、自分なりに考えることもできるようになりました。