認知症と付き合う時は、早い順に以下のようになると思います。②と③は逆になる場合もありますね。
①認知症の親を介護する
②自分が認知症になる
③配偶者が認知症になり介護する
④子供が(若年性)認知症になり介護する
年をとればとるほど、認知症になる確率は高くなり、85歳以上では2人に1人が認知症になるとも言われています。そのため、①~③は、必ずどれかが発生する確率がかなり高いです。
以下の資料に、「85歳以上では、55%以上の方が認知症になるともいわれている」と書かれています。
認知症の現状と将来推計:三菱UFJ信託銀行
https://www.tr.mufg.jp/shisan/mamori/dementia/02.html
私は、認知症の母を介護するまでは、認知症は特別な人がかかると考えていました。ところが、私の両親、妻の母の3人が認知症になった現実を考えると、もう他人事ではなくなりました。
今までは、認知症は予防のことばかり考えてきましたが、もう認知症は避けられないものと考えています。予防する方法も様々提案されていますが、それで必ずしも防げるとは限りません。
認知症になったら、かなり生活で思うようにいかないようになります。しかし、認知症の母を介護して、認知症でも、なんとか不自由ながら生活はできます。もし、生活できなくなったら、認知症専門の施設“グループホーム”があり、そこには、認知症介護の専門のひとがたくさんいます。
だったら、“認知症とうまく付き合う”ために、どうしたらいいかを考えることが現実的だと感じています。
まず大事なことは、“生きがいを持つ”ことだと思います。認知症の母は、花作りや計算ドリル、塗り絵を好きでしたが、認知症になっても楽しんでいました。
気分が落ち込んでも、計算ドリルや塗り絵をやると、気分が落ち着きました。
次に大事なことは、“食事を楽しむ”ことだと思います。食事は生きる上での基本。そして、美味しい食事は、体も心も満足させてくれます。
そして、話が少しずれるかもしれませんが、不必要なものは捨て、生活をシンプルにし、性格を“穏やか”にすることだと思います。
認知症の母を見ていると、服などがたくさんあると混乱してました。食器もたくさんあると混乱し、片付けにも苦労します。電気製品も操作が分からなくなるので、数を少なくして、操作が簡単なものがいいですね。
このように考えると、認知症になる前から、生活をできるだけシンプルにしておくことが必要な気がします。
なお、認知症の母は、神経過敏な性格でしたが、認知症になり記憶障害が進むと、更に神経質になりました。戸締まりは何度も確認するようになり、トイレも何度も確認、外出時は忘れ物はないかと何度も何度も確認してました。
また、せっかちな母は、認知症になっても、落ち着かず、あれもこれもやろうとして、私を困らせました。確かなことは分かりませんが、認知症になると、以前の性格が強化されるような気がします。
認知症になっても穏やかな生活を過ごすために、できるだけ性格を“穏やか”にすることが必要だと、認知症の母を介護して、つくづく分かりました。