「三大幸福論」と言えば、ヒルティの「幸福論」(1891年)、アランの「幸福論」(1925年)、ラッセルの「幸福論」(1930年)による3つの幸福論です。
いずれも読みましたが、一番私に合っている本で、元気と勇気をもらったのは、アランの『幸福論』。でも原本はフランス語なので、ほとんどの本の訳が中途半端で、なかなか読みづらいものになっています。
その中で、一番読みやすかったのは以下の本です。訳された日本語も読みやすく、値段もお手頃で、買う価値はあります。
なお、アランの「幸福論」を抜粋した本もいくつかでていますが、いっけん良さそうに見えて、読んだ後、後にのこりません、あー良い言葉だなという感じですね。やはり、一番いいのは、上記の本を買って読むことですね。
アラン「幸福論」は、最初から順番に読まず、パラパラ読みを勧めます。そうすると、自分にピッタリの言葉が見つかります。
でも、「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 を買って、最初から読むのは、かなりしんどいです。やはり、フランス語を日本語に訳しているので、スッキリ読む進むことはできません。パラパラとめくり、気に入った所だけを読むと、「あーいい本だ」と分かります。
そして、何度かパラパラ読みをやって、少し慣れたきたら、最初から読むと、一段と本の良さ、アランが言っていることが分かります。
なお、アランの「幸福論」を読んだからといって、すぐには幸福にはならないですね。でも、いかに今の自分の考え方が間違っているか教えてくれるし、生きる希望と勇気をもらえます。以下、私の好きな言葉です。いずれも、「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 からの抜粋です。
『しあわせになる秘訣の一つは、自分の気分に無関心になるということだ』
『過去と未来が存在するのは、ただわれわれがそれらを考える時だけである。過去も未来も人間の臆見であって、事実ではない』
『そんな風に自分を苦しめているすべての人に、ぼくは言いたい。現在のことを考えよ、と』
『悲しい思いになってはならない。希望すべきだ。人にほんとうに与えうるのは、自分のもっている希望だけなのだ。』
『どうして君は、自分自身に対してもかけがえのない友となってやらないのか』
どうですか、とても現実的で、力強く励ましてくれる言葉ですよね。このような言葉が、アランの「幸福論」には、たくさんあります。ぜひ読んでみて下さい。
なお、この幸福論でアランが一番言いたかったのは、以下の言葉かもしれません。幸福って何だろうという疑問に単純明確にかつ力強く、アランは説明しています。本当にアランの「幸福論」は、私にとって”生きる処方箋”です。
『幸福になるのは、いつだってむずかしいことなのだ。多くの出来事を乗り越えねばならない。大勢の敵と戦わねばならない。負けることだってある。乗り越えることのできない出来事や、ストア派の弟子などの手におえない不幸が絶対ある。しかし力いっぱい戦ったあとでなければ負けたと言うな。これはおそらく至上命令である。幸福になろうと欲しなければ、絶対幸福になれない。』
(「アラン 幸福論」 神谷幹夫訳 ワイド版岩波文庫 ”92 幸福にならねばならない”から)
幸福を求めるためには、「力いっぱい戦ったあとでなければ負けたと言うな。」という、とても力強い言葉ですね。アランの「幸福論」の中には、このような力強い言葉がいっぱい詰まっています。
これから、時々、フランスの哲学者アランが書いた世界的に有名な「幸福論」から、私がとても好きな言葉を紹介します。