シニアからの学び

介護・主夫業・花作り, etc. シニアから学びの日々が再び

嫌な天気にウンザリ、自分にダメ出し そんなときは「ニーバーの祈り」

今年は豪雨と猛暑、本当に嫌になりますね。枯れる花も多く、雑草は伸び放題、でも暑くて動けない。主夫の私は家事もたまる一方。でも、「あー嫌だなあ!」「なんで動けないんだろう?」と愚痴っても、更に、状況は悪化しますね。こんな時はあっさり受け入れ、飲み物や美味しいもので、心穏やかにしたほうがいいかもしれませんね。

天気を嘆いてもダメ、終ったことを悔やんでもダメ、これは変えられません。情けない自分を嘆いてもダメ(意外と一生懸命にやっている)・・・そんな、たくさんのダメ出しをしていても現実は良い方向には行きませんね。

そこで、今回は、私のようにダメ出しの多い人に、うってつけの言葉を紹介します。

「ニーバーの祈り」という有名な言葉。アメリカの神学者倫理学者のラインホルド・ニーバー(1892-1971)が作者で、「平静の祈り」、「静穏の祈り」とも呼ばれます。この中に、私の好きな箇所があります。

 

「ニーバーの祈り」(一部)

『変えられないものを受け入れる心の平穏を。
 変えることのできるものを変える勇気を。
 そして、それらを見分ける賢さを。』

 

すごい言葉ですね。まさに、生きる知恵です。変えられないものは、現実を受け入れて、焦ること無く、心を穏やかにする。でも、なかなか難しいですね。だから「祈る」かもしれません。

空海さんの言葉に「人を待ち、時を待つ」という素敵な言葉もあります。自分では変えれない天気は、天気が良くなるまで「時を待つ」ですね。他人も変えれないので、その人が変わるまで「人を待つ」ということが大事かもしれません。

「変えることのできるもの」を「変える勇気」、とても難しいですね。でも、変える勇気が無くても、一歩踏み出すことはできそうな気がします。身近な例で言えば、家事の中で嫌いな”お風呂掃除”、”食事の後の片付け”。嫌ですが、”ポンと一歩動く”とできます。この一歩動くというのは、大事ですね。

そして、「変えることができないもの」と「変えることができるもの」を「見分ける賢さ」。実は、変えることができるのに、変えるのが難しいものもたくさんあります。例えば、自分の性格。これは、「変えられますが、なかなか変えることができない」くせ者です。

ただし、性格を変えなくても、行動を変えることができます。例えば、私は「怒りっぽい性格」ですが、怒りを感じたときには、数秒程度の時間をグッと我慢すれば、怒りが収まるそうで、それ以来、怒りを感じたら、数字を1~10まで数えるようにしています。

なお、私なんか、人間ができていないので、「ニーバーの祈り」とは逆。
・(変えられないのに)天気が悪いと心が折れる、ブルーな気分になる。
・(他人は変えられないのに)人の言葉や行動に敏感で、気分が悪くなる
・(やればすぐできるのに)グスグスしてなかなか行動しない
・(やればできるのに)なかなか感謝できない、笑顔を忘れてしまう

 

「変えられないものを受け入れる心の平穏」

「変えられないもの」、たくさんありますね。天気、そして人の評価もそうですね。とかく、こんなものに、過敏に反応して、嫌だなと思ったり、心が動揺したり、気分がブルーになったりします。でも、もし、「あー仕方がないや、今できることをやろう」と考える事ができたら、爽やかでいいですよね。

禅の言葉でいうと「平常心」です。意外と難しいですが、年を取ってくると、突然の介護、突然のケガ・病気、いろんなことが降りかかってきます。こんな時、焦らずに、出来るだけ「平常心」を保つことは、とても大事な気がします。「平常心」は、私の座右の銘の一つです。

 

「変えることができるものを変える勇気」

「変えることができるもの」もたくさんあります。私自信の問題、規則正しい生活、十分な睡眠などなど。全て、自分に責任があり、自分がやると決めたら実行できます。できるはずなのに、やらないだけ。

なお、以前、話題になった「アドラー心理学」の中に「勇気づけ」というのがあります。自分自身や他者に「困難を克服する活力を与えること」です。アドラーは人間が変化・成長するためのエネルギーを「勇気」と名づけています。

勇気づけ、励ましは、やる気を起こさせますね。失敗した人に「なぜ失敗した」「お前は駄目だ」と言うより、「次はうまくやれる」と勇気づけた方が、やる気になります。そして、この「勇気づけ」は自分に対しても、とても有効です。

 

家事も花作りも中途半端な私、時々、情けなくなります。でも、こんな時、「なんで出来ないんだろう?」「どうして、いつもこうなの!」と自分へにダメだしするのはダメですね。そんな時は、「大丈夫、頑張っているから、きっと良くなるよ」と自分への勇気づけが必要ですね。

 

「ニーバーの祈り」、変えられないものを受け入れる心の平穏、変えることのできるものを変える勇気、とても単純で明快な内容です。でも、とても奥深い内容ですね。そうなりたい、でもできない、だからこそ、自分を勇気づけ、励ますことが大事ですね。