レビー小体型認知症の母と一年間過ごしてきて、母の辛さや不安が分かっていない自分に気づきました。
直前の記憶が消えると言うことは、認知症の母にはとても辛く不安のはずで、認知症が進み、記憶障害などで不安が増しているように感じました。
なお、認知症の本当の辛さや不安は、本人で無いと分からないと思います。しかし、辛さや不安を和らげ、安心させることはできると思い、
”母の辛さや不安を感じ 優しく接し 安心させる”
ために次の内容を実践しました。少しは母に役にたっているようです。
①会話を増やし、よく話を聞く
②行動を急がせない
③行動を否定しない
④あまり干渉しない
⑤適当な距離感を持つ
■会話を増やし、よく話を聞く
認知症の母にとって、やはり辛さや不安をよく聞いてあげるのは、良い方法でした。それまでやっていない自分が不思議でした。
食事の後、おやつの時間(10時、3時)には、できるだけ、母と話をして、母の辛さや不安を聞くようにしました。
■行動を急がせない
認知症になると、行動が遅くなります。食事の片付けには、今までの2倍以上かかるようになりました(夕食の片付けには一時間もかかっています)。
認知症の進行を抑えるために、母にはできる家事は、できるだけやってもらっていますが、こんな時は、母のペースで急がせないように、また、母がしんどいときはサポートするようにしています。
■行動を否定しない
介護を始めた頃(今でも少しありますが)、母の行動がおかしいと、ついつい「何をやっているの!」と強い口調で否定することが、たびたびありました。
私から否定・叱られるたびに、母は辛そうな表情をしたり、時には、私と口論することもありました。
でも、母は認知症の中で、精一杯、いろんなことをやっていることに気づきました。私たちからみたら、おかしい行動でも、本人は一生懸命にやっていると思います。できるだけ、行動を否定せず、間違った行動でも、穏やかに説明したほうが良いですね。
■あまり干渉しない
母の認知症を心配するあまり、私は母の行動に敏感になり、いろんな面で、「それはダメ」「こうしてよ」など、一日中、母に言ってました。
あるとき、母が怒って「いちいちアレコレうるさいよ。なんで、そんなに干渉するの! あんたには迷惑をかけてないよ!」と言ってきました。
それ以降、「なんとかなるさ」の精神で、特別、問題無ければ、できるだけ、母の行動に干渉するのをやめました。
例えば、母は寝た直後、時々、起き出して、何かゴソゴソやっており、以前は心配になり、「何、やっているの?」と声をかけていました。でも、今は、母が何か言ってこない限り、何も言わず、しばらく放っておくことにしました。
母をみていると、いろんなことが不安になるようです。時には、何も言わず、見守ることは、とても大事だと思います。
■適当な距離感を持つこと
これは逆説的ですが、自分のためにやった、この方法は、母にも良かったように思えます。
一日中介護をしていると正直、自分の時間がなく、辛いこともたびたびあります。
母にとっても、口うるさい?私と一日中いるのは、とても大変だと思います。
そこで、私は、自分のためにも、母のためにも、一日1~2時間は、別の部屋で過ごし、母と距離をおくようにしました。この方法は、私にも、母にも良いようです。
この方法を、病院の認知症の先生に説明したら、良い方法ですねと賛同されました。