認知症の症状として代表的な”記憶障害”がありますが、もう一つ、生活で様々な障害を発生するものに”見当識障害”があります。これも、日常生活に大きな影響を与えました
月日・場所が分からなくなるので、生活面で支障がでます。月日が分からないので、母は季節が分からなくなりました。冬に雨が降ると梅雨だと勘違いしたり、冬に夏の服(夏に冬の服)を着ようとしました。
大変だったのは、寝具(パジャマや布団)を、季節に合わせ、きちんとさせることでした。
なお、介護の初期は、私は毎回アタフタしていましたが、これも認知症の一つの障害と考え、大らかに対応することが徐々にできるようになりました。
“見当識障害”、母の例で言うと以下になります。
①今日が何月何日か分からないので、今がどの季節か、はっきり分からなくなった。
②今日が何月何日か分からないので、病院の通院日、お彼岸の日にちとかが分からなくなり、何度も確認する。
③季節感が無くなるので、冬なのに雨が降ると”あーもう梅雨だね”と何度も言っていた。
④時々、自分の家が借家だと言い出す。また、今の住所を間違うことがある。
⑤冬なのに、少し暖かいと夏のパジャマを出して着ようとしたり、布団を薄い物に交換しようとした。
⑥衣替えの時は、どの服を着るのか混乱していた。
月日が分からない、季節感が無い、認知症の母の行動は、常にサポートが必要で大変でした。介護の初期の頃は、母を叱ったり怒ったりしていましたが、そうすると、母は被害妄想になり、暴言もはきました。
そのため、グッとこらえて、淡々と対応したら、徐々に慣れてきました。認知症の介護というより、人間性を鍛える修行みたいなものですね。