シニアからの学び

介護・主夫業・花作り, etc. シニアから学びの日々が再び

健康で元気に生きるために 「一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり」

「一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり」。「こころの処方箋」 河合隼雄著 新潮社という本の中に、臨床心理学の河合先生が分かりやすく紹介されていますので、今回紹介します。

「一人でも二人、二人でも一人で生きるつもり」

これは、変化が激しく、また、自然災害も年ごとに大きくなる現代、とても大事な考え方だと思います。基本は、どうしたら、一人でも、体も心も健康で元気に生きていけるかですね。

令和4年版高齢社会白書によると、
日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、令和元年時点で男性が約73年、女性が75年になっています。意外と短いんですね。

この健康寿命を長くするためにも、一人で元気に生きていける方法を見つけることが大事だと考えています。男性ならば、料理含めた「家事力」をいかに身につけるかですね。この家事力がないと、生活を健康・元気に過すことができません。主夫歴2年で身にしみて分かりました。

「家事力」に加え、大事なのが「仲間」ですね。地域の人達との交流、地元の同級生との交流、これは、本当に支えになりますね。万が一、配偶者が亡くなっても、これらの人達の交流があれば、寂しい心も、少しずつ晴れてくると思います。

そして、河合先生が話している、「心のパートナー」、亡くなった親、ペット、ぬいぐるみ、何でもいいと思います。これがあると、いつでも、心の中で話し相手になります。

「家事力」、「仲間」、そして「心のパートナー」、これがあると、健康寿命も伸びる可能性がありますね。

 

①「一人でも二人で生きるつもり」
河合先生は、「心のパートナー」を持ちなさいと言っています。もう少し具体的に言うと「(心の)話し相手」です。これは、亡くなった親、ペット、ぬいぐるみ、何でもいいと思います。自分の好きな偉人、好きな本でも構わないと思います。

 

②「二人でも一人で生きるつもり」
河合先生は、「一人でも生きられる強さを前提として、二人で生きてゆくこと」と言っています。これには家事力が必要ですね。料理、洗濯、掃除などの家事ができなければ、健康に生きていくことができません。

 

以下、「こころの処方箋」 河合隼雄著 新潮社 から引用します。『 』は引用部分です。

 

■「一人でも二人で生きるつもり」

『一人で楽しく生きている人は、心のなかに何らかのパートナーを持っているはずである。(中略)ともかく「話し相手」が居るのである』

『一人でも二人であることを、少し面白くするために、ぬいぐるみなどに名前をつけて、 一緒 に 住ん で いる 人もある。帰宅したときにも「今帰ったよ」とか「今日はこんなことがあってね」とか話しかけるのである。』

 

■「二人でも一人で生きるつもり」

『二人で生きている人は、一人でも生きられる強さを前提として、二人で生きてゆくことが必要である。無意識的よりかかりや、だきこみが強くなりすぎると、お互いの自由をあまりにも奪ってしまい、たまらなくなってくるのである。』

『一人でも生きてゆける人間が二人で生き、お互いに助け合ってゆくところに楽しみが 見出せるものなのである』

 

私が会社を退職して、自宅に1日中いたときは、嫁も本当に大変だったと思います。私が働いていたときは、「二人でも一人」の生活がメインのはずでした。それが、急に「二人でやはり二人」の生活になりました。嫁は、とても窮屈だったし、食事の準備などは面倒だったと思います。

 

それが親の介護で、私も嫁もお互いの親を介護するので、自然と「二人でも一人で生きるつもり」になりました。嫁も、今は、私がいなくても自信をもって生活できるパワーを身につけたと思います。私も主夫業が身につき、なんとか1人で生活できるようになりました。

親の介護をするまでは、家事は何もできませんでした。それでも、お金さえあれば、なんとかなると考えていました。家事の大変さ、重要さを全く考えていませんでした。
でも、家事ができない男が、突然一人になったら・・・食べ物は毎日弁当? 食事の片付けは? 洗濯は? 掃除は? 服の衣替えは? 布団は万年布団?・・・大変ですよね。多分、ほとんどの人が、ゴミ屋敷となり、体と精神を壊してしまうと思います。家事力は、これからの時代、大事になりますね。

 

そして、もう一つ大事なのが「心のパートナー」、なんらかの話し相手ですね。親、ペット、ぬいぐるみ、好きな偉人、聖書などの本、何でもいいと思います。常に、(心も含めた)傍にいるものですね。

 

なお、臨床心理学者である河合先生の「こころの処方箋」、30年前に読んで、とても感銘を受けた本です。そして、70歳間際になって、もう一度読んでいます。今読んでも、素晴らしい本ですね。生きる上で大事なことを教えてくれます、まさに名著です。

各章の目次タイトルがドキッとさせられる内容になっています。例えば、
『人間理解は命がけの仕事である』
『ものごとは努力によって解決しない』

目次のタイトルでおゃ普通と違うぞと思わせ、本文でそのわけを説明していますが、その説明が素晴らしいです。