シニアからの学び

介護・主夫業・花作り, etc. シニアから学びの日々が再び

3年の主夫業で実感! 家族を支え守っているのは家事だった

認知症の母の自宅介護が始まったのが2019年1月、ここからが、私の主夫業の始まり。自宅介護の時は、母はまだある程度家事はできたので、家事は母と私の共同作業。私の主夫業が本格的に始まったのは、母がグループホームに入った2020年12月からなので約3年弱になります。

母がグループホームに入所してからは、実家に一人住んで、実家の片付けなどをやりながら、家事全般、花作り。この主夫業を本格的にやって3年、改めて感じるのは、家事がいかに大事かということでした。家族を支え、健康を守り、生活を豊かにしているのは、まさに家事でした。

豊かな生活とは、特別なご馳走ではなく”普通のご飯と味噌汁”、そして、ゆっくり食事を楽しむ。時には、音楽や本を読みながら、好きな飲み物でお茶タイム。これだけで充分な気がします。

片付いた部屋、毎日のお風呂・洗濯、そんなシンプルな生活を過すことが豊かな生活だと、主夫業をやって、ようやく分かってきました。その中に、園芸などの自然との触れあい、好きな趣味があれば、もう充分ですね。余計なものは不要です。

世の中には、様々な物が溢れ、バーゲンセールといっては購入意欲をかきたてます。大量購入・大量消費の物に溢れた社会。私も、よくダマされて不要なものを安易に買うことがあり、後で後悔!! 安いからといって、今まさに必要でないものまで買うことは不要でしたね。

なお、私は家事を甘く見てました、ところが家事はとても重労働。だから、全て完璧にはできません。頑張り過ぎないことが大切ですね。無理をすると、疲れてしまい、余裕がなくなります。家事は、立ち止まらず、無理なく、楽しくすることですね。どこかに手抜きがあるぐらいが、いいような気がします。

そして、大事なのが、男性の家事力です。遅くとも60代のうちに家事力を身につけたほうが良いみたいです。一人暮らしであれば、当然必要ですが、配偶者が年を取ってくると一人では家事は大変、それに、もし、配偶者が倒れたり介護が必要になった場合には、男性が家事を引き受けなければなりません。

とにかく、一日一日、きちんと料理を作り食事をして、洗濯、掃除、ゴミ捨て、お風呂、必要な物の買物、生活必需品の補充、家事は、細かい作業がてんこ盛り。

掃除も、部屋の掃除機かけに加え、排水口の汚れ落し、トイレ、洗面所の掃除、お風呂の掃除、家の外回りの掃除、雑草取り、さらに、日々の捨てるゴミの仕分け、ゴミ捨て、などなど切りがありません。それに、食事だって、料理を作るだけではなく、食器などの後片付けがあります。

実は、嫁が時々、私が住んでいる実家に来て、私の家事を手伝うのですが、実に手際がいいですね、さすがです。食事の後片付けは私の半分の時間、洗濯物のたたみ方も、私とは雲泥の差です。やっぱり主婦の力はスゴい!!

家族が豊かで安心して生活するには、家事は必要不可欠ですね。主夫業をやって本当に分かりました。有り難いことです。なお、日々の当たり前の生活がいかに大事か、中国の老子の教えに次の素敵な言葉があります。

「知足不辱、知止不殆」
(足るを知ればはずかしめられず、止まるを知ればあやうからず)

直訳は、満足すべきところを知れば屈辱を免れ、とどまるべきところを知れば危険な目に遭わないという意味です。
この言葉は「知足知止(ちそくちし)」という短い言葉でもよく言われます。私の大好きな言葉です。

「知足(ちそく)」:足を知る
現状に感謝し、満足するということです。今あるものに「感謝」すれば、いつも心は穏やかで豊かに生きることができます。

「知止(ちし)」:止まるを知る
アレも欲しいコレも欲しいと欲望に振り回されず、とどまるべきところを知れば、余分なものを買うこともなく、詐欺などの危険な目に会うこともありません。

「足を知る」、「止まるを知る」というと、なんだか消極的な感じを受けますが、実は、「現実をよく見て、よく考えたら、満足できるはず」という積極的な言葉です。よく考えると、今の生活を本当に楽しんでいない、支えてくれている多くのものに感謝していない、自分に気づくことがあります。その意味では、とても積極的な言葉です。

アレもコレもと手を出さず、今の生活に満足し、家事で日々のやるべきことを丁寧にやり、料理を楽しみ、そして、花作り・読書などの趣味も楽しむ、私には、それだけで充分です。なお、最後に「ニーバーの祈り」から次の言葉を紹介。素敵な言葉です。

「一日一日を生き、
この時をつねに喜びをもって受け入れ、
困難は平穏への道として受け入れさせてください。」